1989年2月創刊の「投稿ニャン2倶楽部」、この当時、乱立する素人投稿系雑誌の中でも、圧倒的人気を誇っていた。
ガチの素人投稿であったこと。ヤラセ雑誌も少なくなかった時代に、投稿ニャン2倶楽部では、毎号ガチ素人写真が掲載されていた!
[toc]
80年代からはじまる「素人投稿誌」
80年代の人気雑誌ジャンルに「素人投稿誌」がありました。多くの出版社が参入し、90年代後半に全盛期を迎えます。
素人投稿誌は主に二つの流れがあり、芸能人のパンチラなどの盗撮系、もう一つは、自分の彼女を被写体にした素人系だ。
にゃん2倶楽部はこのうち、素人写真系の流れを受ける雑誌。素人投稿とはいえ、SMや露出、調教など過激な写真が多かった。
素人投稿誌 | 主な雑誌 |
盗撮系 | ・投稿写真 ・スーパー写真館 |
素人系 | ・投稿ニャン2倶楽部 ・アップル写真館 ・熱写ボーイ |
投稿にゃん2倶楽部の系譜
87年に「投稿ニャンニャン写真」が出版、その翌年に「ニャン2PRESS」で出版され、その雑誌がリニューアルし「投稿ニャン2倶楽部」の創刊に至った。
雑誌名の「ニャンニャン」は、当時セックスを意味する用語として使われていたが、素人のセックス写真を扱うことから付けられた。
ハメ撮りのルーツ「生撮り」
初期号の目次を見ると、今では死語となってしまった「生撮り」という用語が使用されていた。実はコレ、今でいう「ハメ撮り」のこと。
昔は、ハメ撮りという言葉はまだなく、生撮りと呼ばれていたのだ。彼氏が彼女のヌード写真や動画を撮る行為は、ハメ撮りですよね。
過激すぎた!投稿ニャン2倶楽部を解剖
目玉コンテンツは本物の素人投稿写真だ。モデルを起用したヌード写真も掲載されていたが、ページのほとんどは素人投稿で占めていた。
素人投稿専門誌として特化していく中で、投稿素材の充実とともに、プロのモデルを起用したヌード写真は見なくなっていった。
さらに号が進むにつれ「過激」さが増していく。出版社の意図というよりも、投稿者同士がライバル心を持ちはじめたためだ。
ヌード撮りだけでは物足りなくなった彼氏が、野外露出や調教チックなプレイをさせ、投稿するようになっていく。
また、写真以外にもエッチなイラストも募集していた。表紙裏の目次ページには、毎回採用された投稿イラストが掲載されていた。
素人投稿誌の中で不動の地位を確立し、「投稿ニャン2倶楽部Z」「ニャン2倶楽部マニアックス」など関連雑誌も登場していく。
目線ナシなし投稿という手法
号を重ねていくと「目線なし投稿」が登場!初期号では、目線なしのみの投稿だったのだが、その後目線なしをウリにしていく。
たとえばニャン2倶楽部Z8月号の表紙には、「目線なし投稿」というフレーズがあり、読者の購買意欲をそそっている。
この「目線なし投稿」表記は効果絶大なのか、今でもパワーワードとして、表紙に記載されていることが多いのだ。
素人投稿モザイクの歴史
今ではありえないが、80年代はヘア(陰毛)もモザイクの対象になっていた。そのため、モザイクの範囲もかなり広範囲だった。
投稿ニャン2倶楽部は89年創刊のため、初期号のモザイクは上記写真のような修正が多く、また、アナルも修正されていることが多かった。
その後、90年代初期にヘア解禁となり、修正の加工も過激になっていく。ヘアやアナル無修正は当たり前、ぼかしもかなり薄かった。
2013年には警察の摘発を受けており、過激な修正が摘発理由という噂もあったが、そのくらい過激なものだった。
警察摘発と休刊⇒復刊の歴史
2013年に警察の摘発を受け、休刊に追い込まれたものの、その後「DVDニャン2倶楽部」として復刊したが、2016年に撤退。
ただ、現在も続刊している。もともとの出版元であるコアマガジンが、マイウェイ出版にニャン2倶楽部関連の事業を譲渡したためだ。
マイウェイ出版に移ってからは、雑誌名が「新生ニャン2倶楽部」と「新生」とつき、現在でもDVD付素人投稿誌として大人気だ。
投稿ニャン2倶楽部は本当にガチ素人?
ここで素朴な疑問が。掲載している素人写真や動画を、出版社はどうやって集めていたのかだが、これは当時の時代背景が関係していた。
ちょうどこの頃、「写ルンです」みたいな簡易カメラが発売されているんですよ。それで写真を撮る人が一気に広がった。彼女とディズニーランド行って、フィルムが余ってたらその後のホテルでも、つい撮っちゃうでしょう(笑)。でもモロな写真は撮っても街のカメラ屋じゃ現像してもらえない。だから、うちの雑誌ではプリントして返却しますよってうたったら、投稿が一気に増えたんですよ
出典:痴女の誕生 安田理央 鉄人文庫
なるほど。出版社のアイディア勝利といったところか。このほか、雑誌に採用された投稿者には謝礼金も出ていたようだ。
ここで、当時の投稿応募ページを見ていこう!説明分には「普通のカメラ屋じゃ焼いてくれないし」とあるのが分かり、時代を感じさせる。
新生ニャン2倶楽部になってからも、投稿募集は続けており、雑誌に掲載されているモデルさんは、本物の素人が登場しているのだ!
投稿ニャン2倶楽部の歴史まとめ
最近では雑誌自体を購入しなくなった人が多くなったものの、現在でもニャン2倶楽部は継続しているのは驚いた。
だが逆に、本物の素人エロジャンルは、雑誌という一昔前の媒体であろうとも、継続して需要が高いのも分かる(筆者もその一人)。
続刊の「新生ニャン2倶楽部」は、強烈な文字と卑猥な言葉が表紙を飾り、150分以上の大ボリュームのDVD付録も健在だ!
ニャン2倶楽部購入方法【補足】
取扱商品の充実さならDMMが最強だ。新刊雑誌もいいが、昔の中古も手軽な値段で購入できるのもうれしい。
とくに露出・調教・SMモノが好きな方はさくら企画とコラボした回はおすすめだ。千円程度の予算でガチ素人モノが買えるのはお得すぎるゼ!
参考図書
投稿ニャン2倶楽部各号 コアマガジン
新生ニャン2倶楽部各号 マイウェイ出版
アダルトビデオ革命史 藤木TDC 幻冬舎新書
日本AV全史 安田理央 ケンエレブックス
痴女の誕生 安田理央 鉄人文庫