日本ではじめてアダルトビデオの情報雑誌は、1982年6月に創刊された「VIDEOプレス」(ビデオプレス)。
創刊号の表紙には「日本初のビデオソフトインフォメーション・マガジン」とあり、80年代はビデオが普及しはじめる頃。
レンタルショップの登場は80年代初期、ビデオデッキの普及は80年中頃という時代背景のなか出版されたのが本誌だった。
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VIDEOプレス創刊号をチェック!
1982年6月。ビデオデッキが少しずつ一般家庭にも浸透してきた頃に、初の「エロビデオ」専門誌ビデオプレスが発売される。
創刊号では、ポルノ大国と称しアメリカのポルノ事情を目玉特集としていた。表紙には外国人モデルを起用し海外情報を推していた。
気になるのは創刊号の内容だ。記事を読みすすめていくと、海外のトンデモ事情をさも本当のごとく紹介しているのだw
80年代のなんともゆるい感じというか、今となっては哀愁ある記事ともいえる。実際どんな内容だったのか紹介していこう!
創刊号目玉記事は海外ポルノ最前線
創刊号1ページ目を飾る目玉特集は、アメリカのポルノショップ事情!日本よりも何歩も先に進んでいるアメリカ性風俗をカラーページで紹介。
アメリカのポルノ・ショップでは、なんでも入場料が必要らしく相場は1ドル。ホンマかいなと令和の今なら首をかしげてしまうw
出典:VIDEOプレス創刊6月号 大亜出版
さらに、最大のお客は日本人観光客らしいが、成人ビデオの国内持ち込みは今も昔も禁止のはず。関税に見つかれば没収確実。
出典:VIDEOプレス創刊6月号 大亜出版
80年代当時も、映画「シャイニング」の陰毛問題が話題を呼んだとか。ポルノ・ビデオであればなおさら規制が厳しいはずだ。
出典:VIDEOプレス創刊6月号 大亜出版
これまでは、お客各々が関税対策をする必要があったのだが、最近はお店のサービスも向上してきているらしい(ホンマかいなw
創刊号のヌードページ
ビデオプレスはヌードにも力を入れていた。創刊号では、外国人モデルを起用し、カラー写真で複数ページにわたり掲載しているのだ。
巻頭ページを飾るのは、イギリス出身のブロンド美女オリビア。「ハダカの私を見て欲しい!!」という煽りフレーズがなんとも艶めかしい。
このほか日本人モデルも登場。愛染恭子、美保純などが創刊号を飾っていた。SMや盗撮写真も掲載、王道からフェチまでカバーしていた。
某アイドルそっくりさん!?
今も昔も芸能人にクリソクな女優さんは人気がありますが、ビデオプレスにもそんなそっくりさんがグラビアを飾っていますw
松田聖子さんにソックリな水沢聖子が登場する回。聖子ちゃんに寄せた水沢さんが、オールヌードで5ページにわたり披露。
創刊号の目次をチェック
巻頭ページの次は目次ページ。ここから白黒ページに。ビデオプレスはオールカラーではない。ヌードなど部分的にカラーページを挟む構成だ。
目次で気づくのは、このときはまだ「AV(アダルトビデオ)」という用語が使われていないく、「ポルノ」が目立つ。
また、「生撮り」という用語も使われており、実はこれがAVの前身とされている。生撮りと言われていたのが、時代を感じさせるところだ。
ポルノと生撮りの違いとは?
生撮りとは、ビデオカメラで撮影された作品で、なおかつ販売・レンタルを第一目的にした作品と言われている(日本AV史 安田理央より参照)。
当時18禁ビデオといえば、成人映画をビデオ化した作品が主流であり、それらの作品をポルノ・ビデオなどと呼称していた。
一方で生撮りでは、販売・レンタルが主目的という点で、ポルノ・ビデオとは分けて考えていたことが創刊号からも分かる。
ビデオプレスには作品のカタログが掲載されているが、ポルノ・ビデオと生撮りで、別々のカテゴリとして紹介されていた。
掲載広告からビデオデッキ普及の兆し
創刊号の広告枠を読むのも面白い。日本ではじめてビデオデッキが発売されたのは、1976年10月31日のこと。
日本ビクター(品番:HR-3300)から発売された製品で、価格は25万6000円。発売当時はまだまだ高級品だった。
なら、ビデオプレスが創刊された82年頃の状況はどうか。当時の掲載広告を覗いてみると、10万円代の製品が登場しはじめてきた。
この頃には、レンタルビデオショップも登場。徐々にではあるが、手が届く価格帯になりはしめてきた頃でもあった。
ビデオプラスと風俗的価値
日本初のAV専門誌!その内容はアダルトビデオというよりは、成人映画メイン、つまりポルノメインを扱っていたようだ。
アダルトビデオという用語も、このときはまだ使われておらず、その前身の「生撮り」という用語が使われていたのも意外な発見だった。
ここから生撮りが進化し、逆にポルノは下火に、そして、今ではネットで格安で作品が視聴できる時代に、なんだか感慨深い。
参考図書
VIDEOプレス創刊号6月号 大亜出版
アダルトビデオ革命史 藤木TDC 幻冬舎新書
日本AV全史 安田理央 ケンエレブックス
痴女の誕生 安田理央 鉄人文庫